イベント来場者の「動き」「興味」を可視化 “EXBOARD”
2016-02-07

IoTによって現実の情報は全てデジタル上に転写される、そんな可能性をイベント運営に適用したと言えるサービス 「EXBOARD(イーエックスボード)」が富士通アドバンストエンジニアリングから2/1にリリースされた。
 
EXBOARD
プレスリリースより、 展示会でのEXBOARD導入イメージ
 
 
「EXBOARD」は屋内測位技術によりイベント来場者の「動き」「興味」を可視化するソリューションサービス。
イベントで得られるマーケティング情報は、これまでイベント全体の来場者数やアンケートに限られてきたが、本ソリューションの導入により、会場での来場者動線、エリアごとの訪問者数や、滞在時間、興味・関心を定量的に計測することができるとのこと。
この計測データを可視化、分析することで、イベントの出展者・主催者はより戦略的にイベント運営を行うことが可能になる。
 
プレスリリースによると、特徴は以下とのこと。
 

    1. イベント会場全体および各エリアの来場状況、来場者動線を定量的に把握・分析可能

      ベント会場で配付する名札にセンサービーコンを装着し、来場者のデータ(位置、動き)を自然なかたちで収集します。収集したデータをクラウドに集め、会場全体の混雑状況やエリアごとの訪問者数として会場のモニター等に表示します。 またイベント主催者は、イベント終了後に来場者の動線やエリア混雑状況などを組み合わせて分析を行うことができます。

    2. 特定の来場者の所在検索やエリア通過の通知が可能

      センサービーコンのIDと来場者IDを紐付けることで、特定の来場者の所在情報を把握することができます。特定の来場者が受付をした時やあるエリアを通過した際に、出展者のスマートフォンへ事前にメールで通知します。また、検索機能により、特定の来場者の現在位置を把握することが可能です。

    3. 来場者の興味・関心度合いを可視化

      来場者が興味・関心を持ったエリアで簡単な操作(例:名札を裏返すなど)を行うことで、興味・関心度合いを計測できます。計測したデータは、エリアごとに収集し、ランキングや履歴として会場のモニターや出展者のスマートデバイスに表示します

導入するための参考価格は、
展示会における展示ブース数30・同時来場者数1,000人の場合、3,720,000~(標準構成)
とのこと。

 

– Comment –
 
これまではイベントを把握する際には、定量的には「参加人数のカウント」、定性的には「アンケートの回答結果」程度の情報しかなかったことに対して、
センシングを利用して、人がどう動いているのか・どんなことに興味を抱いているのかを取得できるようにしたこのサービス。
 
2020年に向けて増えるであろう各種イベントをターゲットにしているようですが、この考え方は音楽・エンターテインメントのイベント・LIVE・コンサートにも適用できるのではないでしょうか。
 
より観客の興味や関心などを理解することで、さらに優れた企画を提供する。また、観客のそういった情報自体をパフォーマンスに反映させる、など応用の可能性は高いように思われます。
 
この「EXBOARD」では、興味・関心のセンシングについて、参加者自身が“名札を裏返す”など、能動的に行動したものを利用するようですが、
観客の特定の動きや傾向などから客観的に取得することができれば、より拡がりを見せることができるのではないでしょうか。
 

 
ソース:

 
 
最後までお読み頂き、ありがとうございました。


Yuki Abe

音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。