Oculus Riftが“視覚のVR”を進めたのだとしたら、“聴覚のVR”はこのシステムが進めるのかもしれない。そんなImmersive(没入型)なヘッドフォンシステム “OSSIC” の情報が届いてきました。
公式ページによると、“OSSIC”は「Auto-calibrating 3D audio headphones」と「Audio Software Solutions」で構成される3Dヘッドフォンシステム。
オーディオの加工等を行うソフトウェアだと思われる「Audio Software Solutions」についてはCOMMING SOONというステータスですが、「Auto-calibrating 3D audio headphones」については興味深い情報が挙げられいます。
Auto-calibrating 3D audio headphones
「Auto-calibrating 3D audio headphones」は完全没入型の3Dヘッドフォン。
利用者のHRTF(※) に自動最適化し、信じられないほどリアルな聴覚体験を提供してくれるとのことです。
※ HRTF
頭部伝達関数 (とうぶでんたつかんすう、Head-Related Transfer Function, HRTF) 。耳殻、人頭および肩までふくめた周辺物によって生じる音の変化を伝達関数として表現したもの。
人が自然に聴く音は、頭や肩、耳を反射した音を聴いていますが、通常の音楽はこれらは考慮されていません。この関数を利用することでそれらを擬似的に再現することができます。
注目の機能は以下の通り。
- オートキャリブレーション機能
利用者の頭のサイズや耳の形に即座にキャリブレーションし、普段聴いている現実の感覚にカスタマイズされた聴覚体験を届けてくれます。 - ヘッドトラッキング機能
ヘッドトラッキング機能は、利用者の頭の動きをトラッキングし、3Dオーディオコンテンツの音像とインタラクションすることを可能にします。 - ノイズキャンセリング機能
内蔵マイクロフォンアレイで外環境のノイズを取得し相殺することで、より明瞭な聴覚体験を実現します。 - 7.1ch サラウンドシステム
OSSICの特許技術は、7.1ch サラウンドによって、より臨場感あふれるサウンド体験を提供します。 - HI-FIDELITYな3Dサウンド
左右だけでなく、上下・遠近 前方後方 全方向に音をレンダリングすることによって、3Dオーディオコンテンツに没入させます。
現在も開発中の“OSSIC”、公式ページからニュースレターに登録することがで最新情報を受け取ることができます
http://www.ossic.com/
– Comment –
視覚のVRにおいては、Oculus Riftの登場によって、ヘッドマウントディスプレイに様々な企業が参入し盛り上がってきています。
ただ聴覚のHackを担うデバイスの“代名詞”は登場してきていないのではないでしょうか。
360°全てを見渡せるコンテンツがあるのであれば、その視線の動きに合わせて音の聞こえ方も変わるはず。
“OSSIC”は今後も続々と登場する聴覚デバイスの先端を行くのではないでしょうか。
ソース:
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。