Boseが取り組む “音によるAR” 「Bose AR」体験レポート #SXSW2018
2018-03-19

毎年、多くのチャレンジが公開される場となっているSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)。この2018年も新たな取り組みがいくつも発表された。

その中でも、プロトタイプ公開され、大きな話題を呼んだのが「Hear what you see. Experience Bose AR.」、Boseが送り出す “音によるAR” 「Bose AR」だ。これをBAKERYでも体験することができた。

“音によるAR(拡張現実)”とは何か、Boseが生み出すARデバイスとはどんなものか。体験レポートをお送りする。

 

音のARとは何か、ワクワクしながらBoseのvenueへ

“音のAR”とはどのようなものなのか、デバイスのクオリティはどの程度なのか。いろいろな想像を巡らせながら会場へと向かう。
Boseの会場があったのは、様々な企業がVenueを貸し切り、パーティーを開催しているRainy St.だ。

そこを進んでいくと、入場の列をつくっている一角がある、それがBoseの会場であった。

 

入場の列ができるBoseハウス、時間ギリギリで中へ

BAKERYの一行が到着したのはその日の展示終了時間ぎりぎり。体験希望者も多く「もしかしたら体験できないかもしれないけど?」と係員に聞かれる。

それでも諦めずに並ぶと、幸いにもなんとか体験させてもらえることとなった。一安心し、SXSWのバッジとIDを見せて、ハウスの中へ。

BOSE HOUSEイメージ
Boseが貸し切るVenue。中では「Bose AR」の他、ドリンクや軽食を手に会話する来場者達の姿が。

 

コンテナに入ると、そこにはプロトタイプのデバイスが。重さは普通のサングラス

Boseハウスの庭に置かれたコンテナ。案内され入っていくと、念願の「Bose AR」の眼鏡デバイスとタブレットが置かれたテーブルが3つ配置され、さらに案内人が待ち構えていた。

BOSE_AR_1
案内されたコンテナには、3人が体験できるセットが。

 

説明を受けながら、デバイスを持ち上げてみると、実に軽い。“つる”の部分が出っ張っているのが特徴的な眼鏡デバイスだが、普通の眼鏡と大差ない程の重さだ。

案内人に誘導され実際にかけてみるが、やはり普通のサングラスのような自然な印象だ。つるの出っ張り部分もかけてみると気にはならない。

Bose AR Prototype Glasses 1905 1
この画像はBose公式より。つる部分に特徴があるが、手に持った重さ・かけた感触としては普通のサングラスと変わらない印象だ。

 

軽く説明を受けて、体験コンテンツがスタート。タブレットに様々なシーンが表示されるとともに、その各シーンに合わせて、ガイダンスの音声が左右から自然に聴こえてくる。

これまでのGoogle Grassなどでは、視界に情報を表示することで現実を拡張していたが、この「Bose AR」デバイスでは音で現実を拡張してくれるのだ。

 

この「Bose AR」デバイスは内部に独自の音響システムを搭載しており、眼鏡をかけた本人にだけ音声が聴こえるようになっている。もちろん耳を塞ぐものではないため、外界の音・案内人の声を聴くこともできた。

試しに眼鏡を付け外ししてみるも、外した際の音漏れなどはあまり感じられず、かけた時にだけ明瞭な音声を聴くことが出来る。

BOSE AR 2
Bose ARをかけて生活するイメージを疑似体験できるコンテンツを体験

 

またこの体験ブースでは感じづらかったものの、このデバイスには加速度センサーも搭載されており、また連携するスマートデバイスのGPSデータや音声入力と合わせて、現実世界の位置・シチュエーションに応じてガイダンスを提示してくれるデバイスとなっているようだ。

Boseならではの音質の良さも感じることができた。

 

これまでさまざまなARデバイスは登場してきているもののやはり重要になるのは、それを(デザイン性・快適性も含めて)“身に付け続けられるか”という点と、“どのように現実が拡張されるか、それは有益なものなのか” だろう。

前者について言えば、身の回りに付け続けるデバイスとして求められる自然な装着性、自分だけが音でガイダンスされる感覚(もちろん音漏れはせず)は、プロトタイプとはいえ、双方が高いレベルで感じられるプロダクトとなっていた。

短い時間での体験だったものの、筆者もつい欲しくなってしまうクオリティだ。

 

Bose ARプロジェクトに今後も注目

それでは、後者の“どのように現実が拡張されるか、それは有益なものなのか” について、「Bose AR」はどう考えているのだろうか。

Boseはデバイスだけでなく、ソフトウェア開発キット「Bose AR SDK」を公開すると発表している。「Bose AR」という一デバイスで完結するのではなく、ある種の“プラットフォーム”として、第三者が入ってくることで新しい体験を想像することを目指しているようだ。


BoseARProject

「Bose AR」のデベロッパーポータルも公開されている。最新情報はこちらからチェックを。

 

同社は、Bose AR SDKを使ってアプリを開発する企業などに対して、5,000万ドルの資金を投資する準備中だと発表している。サードパーティも含めて、“音”をベースにどのように現実を拡張するのか、またどんなアプリが出てくるのか楽しみだ。

 

SXSW2018にてデバイスとしての魅力を存分に感じさせてくれた「Bose AR」。

今後このプロジェクトがどうなっていくか、また“音のAR”という概念が今後どんな拡がりを見せてくれるのか、注目だ。

 

 


2018-03-19 | Posted in VR/AR, イベント/LIVE, エンターテック | by Yuki Abe
Yuki Abe

Yuki Abe

マーケティングコミュニティプラットフォーム「cocosqure」の開発 及び 音楽・エンターテイメント音楽とテクノロジーを掛け合わせたプロダクト/サービスの情報発信および開発を行っている“エンターテック・テクノロジスト/ソフトウェアエンジニア”。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。