SXSW2017より始まったアートプログラム「SXSW ART PROGRAM」。
6人のアーティストが、Austinのダウンタウンの様々な会場において展示を行うこのプログラム。
その6人のアーティストのうち1名はなんと日本人、Akinori Goto氏であった。
多くの来場者が驚き魅せられた『toki』の新作はどういったものだったのか、
オースティンの空気感も交えながらレポートする。
初夏のような日差しの中、向かうのは JW Marriott – Room 306
今回から始まったSXSW ART PROGRAM。
SXSWの中心とも言えるAustin Convention Centerをはじめ、様々な会場で展示が行われていました。
そんな中でもやはり注目していたのは、唯一日本人アーティストとしての出展となったAkinori Goto氏の展示。
Akinori Goto氏の展示はJW Marriottの3階。
会期中拠点となっていたTrade Showの会場でもあるAustin Convention Centerから、歩いて5分ほどの位置にある。
3月にも関わらず、日本の初夏を思わせる陽気の中、会場へ向かいました。
Austin Convention Centerの遠景。空は晴れ、まるで初夏のよう。
会場となるJW Marriott。
暗闇の部屋に入ると、Toki Series #01・Series #02と共にご本人も
JW Mariottの3階に上がると、カンファレンスの入場待ちの人で通路に溢れている。
なんとかその人波を掻い潜ってTokiの展示ルームに入ると、なんとすぐにご本人が。
そして部屋の奥に目を向けると、Toki Seriesが展示されていました。
言語も超えてフォルムと動きの美しさを感じさせる 「series #01」
展示ルームには3つの展示が配置。1つ目は昨年話題となった『Series #01』が部屋の右手前に。
バレエダンサーの動き・時間を3Dプリントで物質化し、ライトで切り取ることによって“動き・時間への再変換”を行った本作。
その分かりやすさと美しさから、来場者の多くが写真・ムービーにて撮影を行っていました。
差し込む光の方向で変わる時間軸 「series #02」
そして部屋の左手前、奥には新作「Series #02」が展示。
「Series #02」は#01と比べてとても大きく複雑なものであるため、
まず左手前にはその1パーツによって、そのコンセプトを分かりやすく理解できるような展示の配置に。
#02は、人の時間の流れが、差し込む光の方向によって変化・逆転する仕組みとなっていました。
それが組み合わさってできたのが、#02本体。
テーブル上に収まる#01とは異なり、インスタレーションとして圧倒され、魅入ってしまう作品となっていました。
惜しむらくは、非常口のランプが消せなかったこと。
この点については、展示の難しさだとGoto氏からも伺うことができました。
フェスティバルに自然と組み込まれるアートを楽しむ贅沢
LIVEやカンファレンスなど時間ごとに次々と行われているSXSW。
そんな中でも常設展示として、時間を気にせず 喧騒から少し離れたところで
最先端のアートに触れ、新たな視点を得られる「SXSW ART PROGRAM」。
初回であったため、フェスティバル全体から浮いてしまっているのでは、と考えていたものの
SXSWの懐の広さなのか、実に自然に「新しい感覚を与えるもの」「文化を作るもの」として触れることができるイベントでした。
来年度はどのようなアーティストが出展するのか、要チェックです。
ソース:
- SXSW ART PROGRAM
https://www.sxsw.com/exhibitions/sxsw-art-program/
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。