FAMM’INが新曲MVを『Dazed』から発表、BRDG・HIDALI・K.K.H.U.とのコラボレーションによる映像に注目
2017-03-27

メンバーのリアルな動きを投影した仮想空間映像が投影される巨大LED空間、そこにすっぽりと身を包まれたメンバーが呼応するようにアクションを続けていく、未曾有の一体感と没入感。

新しい感覚を人々に植え付けることを念頭に置いたショーの映像と、オーディエンス不在の状況で撮影された映像がミックスされ、
ライヴ・ビデオともミュージック・ビデオとも言い切れない、あらゆる境界線が曖昧になるカオスな映像。

そんな注目のミュージックビデオ(MV)は、アーティストは国内外から注目を集めるガールズ・ユニティー『FAMM’IN』の新曲『animus / アニムス』のMVだ。

 


MVはYoutubeで公開中。Dazedの記事も要チェック。

 

このMVは“BRDG・HIDALI・K.K.H.U.といったクリエイターズとのコラボレーション”であることに加え、“イギリスの人気カルチャーメディア『Dazed and Confused Magazine』(通称:Dazed)から「Dazed premiere」として発表”というニュース尽くしの作品だ。

是非、その目で確認しよう。

 

 

アーティストと様々なクリエイターのコラボレーションによって生まれたMV

『FAMM’IN』は、マネキン・デュオ『FEMM』と4人組ダンス&ヴォーカル・グループ『FAKY』、そしてシンガー・ソングライターの『Yup’in』からなるガールズ・ユニティーだ。
(『FEMM』と『Yup’in』はVRDG+Hのレポートで、『FAKY』はYoutubeの機能を活用した新感覚MVでBAKERYでも取り上げている)

いずれのアーティストも映像作品が国内外の有力メディアから高い評価を得ており、楽曲だけでなくそのビジュアライズと共に存在感を強めている。

今回のMVはそんなFAMM’INが昨年夏、「第3回 ライブ&イベント産業展」にてAVC(株式会社 映像センター)とタッグを組み、
BRDG・HIDALI・K.K.H.U.とコラボレーションして行ったライブ・パフォーマンス「Animusic Visualization feat. BRDG / FAMM’IN / HIDALI / K.K.H.U.」で撮影されたものだ。

 

ステージは『AVC』による超薄型LED「Linx-9」を駆使した横幅12mの超巨大ブース。
壁面はもちろん、そこから美しい曲面で繋がった天井、さらには、シンメトリーに配置された6本の柱に至るまで、全てが高精細映像を投影可能なLEDで覆われた特殊な空間となっている。

 

そのLEDには、メンバーの動きに呼応した映像が描画されていく。
過激にデフォルメされたキャラクターが、強烈なエフェクティヴ映像表現をまといながら、メンバーの動きを追随してゆく様は彼女たちのパフォーマンスと相まって圧巻の一言だ。

 

17496363 1457609214278939 2002927233 n
Youtube MVより

 

LEDに投影される映像の制作は、もはやBAKERYでもおなじみの『BRDG』(3Dホログラムを駆使したイベントが毎回ソールドアウトの超人気クリエイター集団)の誇るトップ・クリエイター『高橋 啓治郎』が参加。
もはや言葉で説明不可能な独自過ぎる世界観を生み出している。

 

コレオグラフ(振り付け)は、多くのアーティストから引く手数多のHIDALIが担当。
7人のメンバーが異なるタイミングで、ダンスにおけるアクセントを取るなど複雑なアレンジを加えつつも、一切それを感じさせない一点突破の強さを兼ね備えたダンス・パフォーマンスを引き出している。

 

また、クリエイティヴ・ディレクションは、インタラクティヴMVの先駆者『2nd Function』。
実演中のメンバーをモーション・キャプチャすることで、その動きを巨大LEDへリアルタイム投影する演出を構築した。

 

異例の「Dazed premiere」としての発表

前述の通り、今回のMVはイギリスの人気カルチャー・メディア『Dazed and Confused Magazine (通称:Dazed)』から「Dazed premiere」として発表された。

同メディアは、これまで多くの気鋭アーティストを輩出し、インフルエンスな雑誌として世界中に熱烈なファンが存在する。
これまた絶大な人気を誇る挑戦的なファッション誌『AnOther』も同グループのメディアで、双方の編集長であるジェファーソン・ハックは、
人気の映像キュレーション・サイト『NOWNESS』のクリエイティヴ・ディレクターも務めている。

90年代以降、音楽面だけでなくファッションや映像の分野においても、非常に重要な役割を果たしてきたメディアであり、
その英本国チームから、このような評価を受けるのは異例中の異例だ。

記事リンク:
http://www.dazeddigital.com/music/article/35234/1/fammin-animus-video-faky-j-pop

 

Dazedとのコラボレーションの経緯は、既に発表されている『FAMM’IN』をフィーチャーしたAR(拡張現実)企画「I\I I I\I IE」の制作現場に『Dazed』チームが訪れた際、
テーマ曲である「circle」の音像に触れ、そのクリエイティヴを大絶賛。今回のコラボレーションに至ったと言う。

※ 「circle」は、昨年末すでに『Dazed』と『RADAR RADIO』とのコラボ・プログラムでオンエアされ、今回同様、Dazedの記事で「Supergroup!!」と表されている。

「I\I I I\I IE」テーマ曲「circle」MV:

 

今作「animus / アニムス」について

今作「animus / アニムス」は、ユングの説において “女性の中の無意識の男性的特性” を意味する言葉で、
歌詞・映像・スタイリングなど、全てにおいて、そのコンセプトが反映されている。

楽曲は、前作を踏襲した雅楽グライム。前作同様『Diplo』のリミックスやファッション界へのトラック提供が話題の『Radical Hardcore Clique』を共同制作者に迎えて、制作された。

「animus」は、3月29日にデジタル・シングルとして全世界同時発売。こちらも要チェックだ

今作然り、これまでにもそのクリエイティヴが、幾度も日本を飛び出し、むしろ多くの海外メディアから評価を得てきた『FAKY』『FEMM』そして『Yup’in』、『FAMM’IN』クルー名義でも『Dazed』という新たなシンパを得て、さらなる飛躍が期待される。

BAKERYとしても、今後の活躍とクリエイティブに注目していきたい。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 
 
 


Yuki Abe

音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。