レコチョクが音楽分野に特化した共創・体験型プラットフォーム「WIZY(ウィジー)」スタート
カテゴリ:エンターテック
2016-08-22

レコチョクが、アーティストとファンの“想い”をつなぎ、その実現をサポートする、音楽分野に特化した共創・体験型プラットフォーム「WIZY(ウィジー)」をリリースしました。

「WIZY(ウィジー)」はアーティストが実現したいと考えるメッセージ性やクリエイティブ性の高い企画を、そのアイデアに共感・サポートしたファンと共にカタチにするために、両者の想いをつなぎ、実現をサポートするプラットフォーム。
現在はamazarashiやAIのプロジェクトが決定しているとのこと。

今後どのようなコラボレーションが生まれるか注目です。

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世の中にたくさんのコンテンツが溢れ、リスナーの趣味嗜好も多様化する中で
音楽はその価値を “聴くだけ” でなく“体験するもの” として形を変えてきています。

音楽ビジネスにおいても、SNSを活用したコミュニケーションや、フェス・クラウドファウンディングなど“音楽の鳴る瞬間を共に生み出す”という体験を与え、音楽の価値を高める動きが目立ってきています。

そんな中レコチョクが今回発表した「WIZY(ウィジー)」は、アーティストとファンの“想い”をつなぎ、その実現をサポートしていく共創・体験型プラットフォームです。
 
 

クラブレコチョクで蓄積したデータを活用、ファンとアーティストを結びつける

アーティストとファンが“一緒”にという意味の「with」、“あなた”も参加できるという「you」という「with you」を掛け合わせた造語で、「みんなの夢をかたちにしよう」というコンセプトが込められている「WIZY(ウィジー)」。

「クラブレコチョク」で蓄積してきた1,000万人を超えるメンバーの購買履歴データ、楽曲視聴データなど、音楽に関するさまざまな行動履歴データを活用、
アーティストとファンの双方にとって有意義なコンテンツ企画や、お客様一人ひとりに最適なセグメントプロモーションを展開し潜在的なアーティストファンへのアプローチや、アーティストとの結びつきをさらに深められるような感動体験の創出を目指していくとのこと。
 
 

amazarashi, AIのプロジェクトが決定、体験型Tシャツの限定販売など

すでにオープンしているオフィシャルサイトを訪れると、現時点ではamazarashiとAIのプロジェクトが既に公開。

amazarashiは新作&ライブのテーマとなる新たなストーリー「虚無病」とリンクし、楽曲をモチーフにした体験型Tシャツ(※)をWIZYにて限定予約販売。
※ スマートフォンやデジタルカメラのフラッシュでデザインが浮かび上がる次世代インク「NINJAINK (ニンジャインク)」を用いた限定Tシャツ

また、プロジェクトのサポーターには「amazarashi LIVE 360°」のライブレポートや限定情報も随時追加予定とのことです。

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amazarashi 次世代インク「NINJAINK (ニンジャインク)」を用いた限定Tシャツ

AIのプロジェクトは近日公開予定。

「WIZY(ウィジー)」では今後、レコチョクならではのダウンロード、ストリーミング、ハイレゾ配信との連動をはじめ、音楽に特化した機能を積極的に実装していくとのことです。

 
 

どんな共創・体験が生まれるか、ファンの声をいかに繋いでいくか期待大

『共創』は音楽業界に限らず、マーケティング業界においても注目のワード。
消費者の嗜好が多様化し、商品がコモディティ化(ありふれたものになっていく)・低価格化していく中で、ファンを“消費者”ではなく“一緒に成長させていく仲間”として迎え、共に想いを反映したプロダクトやサービス・施策を創造していくことで、特別なものを物理的・心理的に作り上げていくアプローチです。

既にリアルでのファンクラブや、SNSを使った施策などで部分的には行われているものの、それらに特化した機能を盛り込んだ“コミュニケーションプラットフォーム”が各業界で登場してきています。

そんなファンとブランド・プロダクトを繋ぐ手法として有効な『共創』も、プラットフォームとして成功させるためには超えないといけない壁もあります。

     

  • ファンの声を引き出す企画を継続的に打てるか
    (良い聞き手や仕組みがそこにあるか)
  •  

  • ファンの支援にしっかりと“形”を持って報いることができるか
    (リアクションや、施策への実際の反映がなければファンは離れていく)
  •  

  • ファンのことをどこまで知れるか
    (知るための仕組み・機能を意味ある形で実装できるか、過去・現在・未来のデータを繋げて活用できるか)
  •  

  • そのプラットフォームでなければならないものを生み出せるか
    (ファンクラブやSNSではダメなものとは何か)

現在「WIZY(ウィジー)」で公開されているプロジェクトは、比較的グッズ販売の側面が強い印象ですが、
これらの壁を超えて、その先に今後ファンとより強くコラボレーションした新しい価値が生まれることを期待したいですね。

コミュニケーションの新たな形を作り、加速させるテクノロジー。期待大です。

ソース:

 
 
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 

2016-08-22 | Posted in エンターテック | by Yuki Abe

Yuki Abe

音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。