実験から真のエンターテインメントへ昇華していく VRDG+H #3レポート
カテゴリ:VR/AR, イベント/LIVE
2016-08-13

先進的な技術を用いた表現は往々にして、その技術を使う“実験性”自体で評価され、その実コンテンツのエンターテインメント性が追いついていない、ということがある。
しかしこのイベントについては全くそんなことはない。

回を増していくごとに、よりエンターテインメント性を深めていくイベント「VRDG+H」の第3回をレポート。
VRDGH3_top

今回の「VRDG+H」はday/nightの2回公演。そのうちday公演についてレポートする。

 
 

より音楽の世界観に深く沈み込む – Kezzardrix × Ray Kunimoto

イベントのスタートはKezzardrix × Ray Kunimotoによるパフォーマンスから。
壇上にはピアノ・チェロ・バイオリンの3重奏、その演奏に合わせての電子音と映像でステージが展開していく。
 
これまでの「VRDG+H」の印象としては、最新テクノロジーとの親和性から“電子音楽”と“幾何学的な表現”のイメージが強かった。
だがこのステージでは、ピアノ3重奏を軸としたある種の“生っぽい音楽”とスピリチュアルな映像によって、
観客に“魅せる”のではなく、その世界観に“入り込ませる”・“沈み込ませる”ような空間を構築していく。

観客も息をのみ、少しの話し声すら惜しくなるほどの空間となっていた。

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静かに展開していくステージに、観客も息をのむ

そんな音楽と映像の高いレベルでの融合に加えて、DMM VR THEATERの特徴でもあるステージ前後の2面のスクリーンを使った奥行きのある表現にも注目したい。

Ray Kunimoto #VRDGH

BRDGさん(@brdgtokyo)が投稿した動画 –


brdgtokyoインスタグラムより引用

映像では伝わりづらいのが惜しいが、実際に目にするとステージの奥行き以上の大きな空間を感じることができた。
「ステージ上に映像を出現させる」という使い方からさらに進み、「そこにより大きな世界を作り出す」という表現によって、音楽の世界がより深まっていく。
そんな技術による新しい体験を感じられるステージであった。

 
 

Popな世界観を追求した – 大橋史 with kazami suzuki x Tomggg ft. ボンジュール鈴木

そんなステージに続いては、心から楽しくなるようなPopなステージ。大橋史 with kazami suzuki x Tomggg ft. ボンジュール鈴木によるパフォーマンスだ。

ステージ上にはDJブースのようなセットが一つ。
そこからパフォーマンスがスタートすると、カラフルでPopなイラスト・ロリータ少女のイラストがステージ上を飛び交い華やかなステージに。

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可愛らしい少女がステージ上に飛び交い、空間はカラフルに

またパフォーマンス後半ではボンジュール鈴木氏がステージに登場。
ウィスパーボイスのボーカルが楽曲に加わり、またボーカリストがステージに立つことで、ステージ上の表現が“ミュージックビデオ”から“ライブセット”に変わったような感覚を受ける。

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全てが揃ったパフォーマンス終盤には、「これで一つの形なのだ」と、芯の通ったステージだという印象を受けた実に楽しいステージであった。

 
 

DMM VR THEATERを活用し尽くす圧巻の表現 – Keijiro Takahashi × DUB-Russell

続いては「VRDG+H」おなじみとも感じるKeijiro Takahashi × DUB-Russellのステージ。
前回はダンサーOBAとのコラボレーションであったが、今回はDJがステージに上がる。

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今回のイベント中で最も鮮烈な空間がステージ上に構築されていく

ステージ中央に球体の映像が浮かび上がりステージがスタート。
強烈なビートに同期して、前回からつづく彫像のモチーフ・色鮮やかな破片が立体的にステージを覆い尽くしていく。
リアスクリーンも活用したその立体感、ステージ全体を使い一斉に散っていくその魅せ方など実に圧巻であった。

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リアスクリーンも巧みに活用されることで得られる“実体感”はステージだけ別の空間のように感じる

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ステージ全体を横に広がり、ビートと共に高まっていく密度と熱

まさにDMM VR THEATERとクリエイター双方が揃う「VRDG+H」を象徴する、ここでしか体験できないステージとなった。

 
 

不思議な感覚が沸き立つ、映像と音楽の“お祭り” – 北千住デザイン × DE DE MOUSE

最後のステージは北千住デザイン × DE DE MOUSE。
予想外にも今回のDE DE MOUSEの衣装、そして楽曲は“和”をモチーフにしたもの。

祭囃子や夏の自然音を交えながら、軽快で浮遊感のある音楽がシアターを包む。
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冒頭ではステージ全面にDE DE MOUSEの文字が。パフォーマンスに期待感が高まる。

そして映像は北千住デザイン節が前回の楽しくも不思議な映像が展開。
大小様々、大量の絵文字がステージを舞い、楽曲の浮遊感と相まって実に可笑しく楽しい。
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多量の絵文字が形を成しては散っていく

さらにはDE DE MOUSEの顔がステージにいくつも登場。回転しながらねじれや拡大縮小を繰り返していく。
多彩な音色と相まって、次々と様々な顔を見せる映像が実に楽しい。

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パフォーマンスを行うDE DE MOUSEの前で、ねじれ様々な顔を見せる映像

合間合間に挟まる祭囃子が郷愁を誘い、楽しそうなパフォーマンスを見せるDE DE MOUSEと北千住デザインの映像は、“お祭り”のようなステージングであった。

 
 

真のエンターテインメントへ昇華された最先端の表現、次回が待てない!

「いいエンターテインメントを見れた!」、それが今回のイベントを見終わっての率直な感想であった。
チャレンジングな表現を重ねつつ、“実験”にとどまらず紛れもない“エンターテインメント”に昇華している「VRDG+H」は、音楽や映像・テクノロジーが生み出す新しい体験・パワーを感じられる実に貴重な場だ。

なお、次回のイベントが気になる方は是非、BRDGのInstagramアカウントBridgeのFacebookアカウントをフォローすることをオススメする。
本当に次回が待ちきれない!そんなイベントであった。

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。


2016-08-13 | Posted in VR/AR, イベント/LIVE | by Yuki Abe
Yuki Abe

Yuki Abe

音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。