Flying Tokyo#16 with Kyle McDonald(Talk) レポート
カテゴリ:イベント/LIVE
2016-01-20

「Rhizomatiks Research」代表 真鍋大度氏がオーガナイザーとして定期的に行われているイベント「Flying Tokyo」の第16回 with Kyle McDonald(Talk) をレポートします。

渋谷FabCafeにて行われた今回のテーマは「アートのためのマシン・ラーニング/ディープ・ラーニング」。
Kyle MacDonald氏に加え、追加スピーカーとして大羽 康仁氏、Jono Brandel氏を迎えた今回も、会場は大きな盛り上がりを見せていました。
  
 

オンラインで拡がる表現の可能性 Jono Brandel氏


最初のスピーカーは「Patatap」などを手がけるデジタル・アーティスト Jono Brandel氏。
 
グラフィックデザイン・コンピュータグラフィックに携わる彼の作品を続々と紹介。


Flexen by microstoria 彼の最初の作品。
 

Visual music montage 2008-2010 コンピュータビジョンや視覚テクニックを利用したVideo
 
また、昨今はLULLATONEとコラボレーションし、ブラウザ上で動作するインタラクティブなミュージックコンテンツもリリースしています。


thumbnail
patatap – キー入力に対して、様々なパターンのグラフィックと音が鳴るインタラクティブコンテンツ

 

thumbnail-narrow
typatone – 入力した文字列でメロディが生成されるインタラクティブコンテンツ

 
このpatatap、typatoneはそれぞれ、自身の生成したコンテンツをTwitterなどでそのまま鳴らせる形でシェアする機能があることが特徴。
さらにこれらのソースはGiHubで公開されています。
(two.jsとしてツール化もされています。https://jonobr1.github.io/two.js/)
 
オンラインで公開し、シェアできる機能を提供することで、思いもよらない拡がりやつながりが楽しいと語るJono Brandel氏。
SNSというコミュニケーションの形を前提とした設計は、今後のスタンダードになるかもしれません。
 
 
 

パケット解析を知る 大羽 康仁氏


続いてのスピーカーは、日本マイクロソフト プラットフォーム サポート エスカレーション(PFE)にて、障害対応チームの中でも緊急度が高く、ビジネスインパクトの大きな障害対応をメインで対応する緊急対応チームに所属する大羽氏。
「現場で使えるパケット解析テクニック」という書籍も出版する大羽氏からはパケット解析の手法についてのプレゼンテーションが行われた。
 
難しい話題になりがちな企業向け障害ですが、大羽氏は24チックなPFEのイメージ映像からスタートし、会場を沸かせました。

Premier Field Engineering – Another Crisis Averted! from Frank Battiston on Vimeo.

 
Wiresharkをはじめとしたパケット解析の手法やTipsを紹介。
パケットの構成や見方など、クリエイティブコーダーでは詳細に見ることのないパケットについて、新しい視点をもたらしてくれたプレゼンテーションでした。

 

アートのためのML/DL Kyle MacDonald氏

そして最後のプレゼンテーションはKyle MacDonald氏。
Light Leaksをはじめ、コンピュータビジョンを利用した作品を発表してきた彼。
 

Light Leaks from Kyle McDonald on Vimeo.

 
今回のマシンラーニング・ディープラーニングを語るにあたって、クラウドソーシングサービス(Amazon Mechanical Turk)を用いたアート作品について幾つか紹介されました。


Aaron Koblin Data Art: The Sheep Market
クラウドソーシングにて大量の羊の絵を使って生み出されたアート作品
 
 
 

Conversnitch from Kyle McDonald on Vimeo.

Conversnitch
街の様々な箇所にマイクを仕込み、そこの会話内容をMechanical Turkでテキストに起こすという作品

 
 

John Smith – The Girl Chewing Gum 1976
録画済みの映像に、出来事を先んじてナレーションを入れることで、未来予知をしているかのように見せる

 
 
こういった“人の力”で期間がかかっていた表現を、マシンラーニング・ディープラーニングによって短時間で、なおかつこれまで不可能な作業すらも可能にできるようになった、という流れで、技術の紹介が行われました。


絵画など別の画像のスタイルを他の画像に適用できるStyleTransfer
 
 

StyleTransferをアニメーションに適用した動画
 
 

DeepDreamを適用した動画 学習したイメージで映像を再現しようとするため、人間の認識とは異なる映像が生成される。
 
 
また、現在Rhizomatiks Researchと行っているプロジェクトの一部も見せてくれるなど、マシンラーニング・ディープラーニングのアート活用を深く知れるプレゼンテーションとなりました。
 
Evernote Snapshot 20160109 214258
t-SNEでビデオアーカイブを配置・ビジュアライズしている
 
 
 

人工知能への注目はこれからも加熱していく

様々な場面で見かけるようになった機械学習の活用。それはBAKERYがテーマとする「音楽・エンターテインメント」でも例外ではありません。
一見すると、人の閃きが重要だと考えられる表現活動ですが、“人の思いつかない可能性の創出”や“効率化”、より広い人とのコミュニケーションなど、今後も利用が進んでいくと思われます。
 
こういったイベントにも積極的に参加し、可能性を探っていきたいですね。
 
 
ソース:

 
 
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 


2016-01-20 | Posted in イベント/LIVE | by Yuki Abe

Yuki Abe

音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。