ソーシャルネットワークデータから生み出される美の彫刻 “Virtual Depictions:San Francisco”
2015-12-29

現実の世界がインターネット上に映し出された結果が “データ” なら、そのデータで描き出される美は、この世界の新しい美しさかもしれません。
Refik Anadolによるパブリックアート “Virtual Depictions:San Francisco” はソーシャルネットワークデータを利用した圧倒的なビジュアルデータアートです。
 
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この“Virtual Depictions:San Francisco” はサンフランシスコのパブリックアートとして展示されたもの。
路上に面したビルの壁に40フィートにも及ぶLEDメディアウォールを設置し、FacebookやTwitterといったソーシャルネットワークサービスのデータから生成した“彫刻”を映し出しています。
 

Virtual Depictions: San Francisco / Public Art Project from Refik Anadol on Vimeo.

 
路上を行き交う人や車、そして周囲の風景と共にアート作品となるパブリックアート、
加えてこの“Virtual Depictions:San Francisco”では、サンフランシスコで投稿されたソーシャルネットワークデータなどのデータを利用することで、息づく都市全体とコミュニケーションを行うアートとなっています。

 
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技術的にはカスタムVVVVのリアルタイムシステムを構築、8チャンネルの音声で90分の映像が投影されます。
その他詳細についてはプロジェクトページに整理されています。

 

 
– Comment –
 
IoTの登場によって、より加速している「現実のデータ化」。
それによって、利用可能なデータは日々増えていっています。
 
これらを表現として利用することで、ただの美しい造形に留まらず、データの発信者との繋がり・文脈を生み出すことができるのではないでしょうか。
 
現状、膨大なデータをリアルタイムで処理するには様々な課題があるものの、事前の取得などを工夫することで
 ・ ユーザーの楽曲プレイリスト(iTunes、その他サブスクリプションサービス)
 ・ LIVE中の観客の動き、歓声
などを活用できると思われます。
 
楽曲や対象の世界観・文脈に沿わせ、テクノロジーによって結びつきを強め、体験を高められるか。
2016年以降の一つのテーマとして取り組んでいきたいと思います。
 

 
ソース:

 
 
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 


Yuki Abe

音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。