重力と空間を見失う 光と音の“PLANE SCAPE”
カテゴリ:VR/AR
2015-11-12

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そこに入り込んだ途端、浮遊感に包まれ空間の広さも見失ってしまう。
欧州で活躍するWolfgang Bittner, Lyndsey Housden, Yoko Seyama , Jeroen Uyttendaeleによって生み出された“PLANE SCAPE”は光と音とで緻密に計算されたインスタレーション。

 

 
奥行きのある空間に「反射素材のラバーバンド」が床から天井へと垂直に何本も張られており、そこに向けて光を投射するためのプロジェクターが配置されています。
そこから投射される“光の線”がラバーバンドに交差する点として当たることで、空中に光の粒や線が浮かび上がる、という仕組みになっています。

音響は6チャンネル、投射される光に合わせて様々な効果音が空間を包み込み、さらに体験効果を強めています。

観客はラバーバンドを掻き分け、無数の光の粒が浮かんでは沈むこの空間へ実際に入り込むことができる、まさに幻想的な空間アートの作品です。
 
 

– Comment –

初展示は2010年オランダ、そして今年Today’s Art Tokyo 2015で日本でも展示された「Plane Scape」。
私もToday’s Art Tokyoで実際に体験し、プロジェクションの力と可能性を肌で感じました。

投影しているのは“平面的な光の線”であるにも関わらず、プロジェクション対象であるラバーバンドが緻密に計算され配置されていることで、“実際の空間以上の立体感”を感じることができました。

その“超”空間体験を増幅しているのは、光に完全にシンクロした音響効果でした。
音と光、そして空間に対する芸術がいかに人を感動させられるのかを心から感じることができた作品であったため、ご紹介させて頂きました。

この作品のように投影内容だけでなく、「投影対象の素材や配置」「音・光・空間のシンクロ」全体を考えた演出・効果を開発できればと考えています。

是非、お楽しみにして頂ければと思います。

 
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2015-11-12 | Posted in VR/AR | by Yuki Abe

Yuki Abe

音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。