触覚と視覚のクローンをリアルタイムで生み出す “Haptoclone”
カテゴリ:VR/AR
2015-11-13

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表現は視覚・聴覚に加えて、触覚へ。
東京大学 大学院 新領域創世科学研究科によって開発された、触覚と視覚のクローンを作ることができるインタラクション・デバイス“Haptoclone”が衝撃的です。
 

触覚情報と視覚情報の3次元的な「クローン」によってインタラクションする新しいシステムです. 離れた場所にいる二人が,素手・裸眼でお互いに触れ合うことができます.
2つの離れたワークスペースの光と力の場はお互いに複製・転送され,共有されます.一方のワークスペースに存在する物体の視覚的クローン(3次元映像)は,他方のワークスペースに再現され,実物とクローンが接触すると,その実物と,クローンのもとになっている物体の両方が接触力を受けます.

SHINODA-MAKINO LAB より –

 
片方の箱に紙風船入れるともう片方にクローンの紙風船が現れ、
そしてそのクローン紙風船に向けて別の紙風船をぶつけると、リアルの紙風船が落ちるという
なんとも不思議な感覚を得ることができます

光のクローンは「マイクロミラーアレイ」を利用しており、
そして力(触覚)のクローンは「ワークスペースを囲むように配置された1992個のフェーズドアレイによって、上下左右から立体的な力を発生させ、ユーザの皮膚に触った感覚を提示」しているとのこと。
(この空中超音波ホログラフィ技術については下記の論文に詳細があります。
 「Active Touch Perception Produced by Airborne Ultrasonic Haptic Hologram」

立体物の読み取りにはKinect 2 が利用されているそうです。
 
 
より詳細な技術内容は以下リンク先へ。
http://www.hapis.k.u-tokyo.ac.jp/?portfolio=haptoclone
 

– Comment –

いつかのSF映画でみたような、遠くにいる人と握手ができる未来がすぐそこまで来ている、と感じたこの技術。
触覚による双方向コミュニケーションの新しい形になるのでは、と想像してしまいます。
 
現状では動画のBOXサイズなのかもしれませんが、ゆくゆくはLIVE・エンターテインメントの施策としても活用できるようになるのではと期待しています。
 
視覚・聴覚にプラスして“触覚”を用いて、新たな世界観・体験を構築できないか、考えていきたいですね。

 
リンク:

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2015-11-13 | Posted in VR/AR | by Yuki Abe

Yuki Abe

音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。