VR/ARにはヘッドマウントディスプレイは必要ないのかもしれない。
Queen’s UniversityのThe Human Media Lab (HML) で研究されている “BitDrones” 。
ヘッドマウントディスプレイではなく、小さいドローンを使うことで物理的な空間にVR/ARインタフェースを実現しようと研究が進んでいます。
BitDronesは幾つかのドローンで構成されています。
- PixelDrones
LEDディスプレイを搭載した情報表示ドローン - ShapeDrones
軽量なメッシュキューブで覆われた、複数のブロックとして情報を伝え受け取るドローン - DisplayDrones
タッチスクリーン・ビデオカメラを搭載したドローン
これらのドローンが空中を動き回り、体験者から情報を受け取り また 体験者に情報を伝達していきます。
なお、ドローンにはそれぞれ再帰性反射材マーカーが付けられており、部屋の天井に設置しているモーションキャプチャカメラによって位置を取得することで、個々のドローンそれぞれが自律して動くことを可能としています。
新しい体験の提供方法として注目されているVR。
ただ、VR/ARと聞くと「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)で見る映像だろう」と考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
本来の意味では「“まるで現実であるかのように知覚させる”技術」であると捉えることで、その概念の持つ可能性を拡げることが出来ます。
このBitDronesもその一つの形かもしれません。
現時点では研究段階ではありますが、今後ドローンの小型化や表現方法の改善によってヘッドマウントディスプレイ無しでのVR的なコミュニケーション・表現が可能になっていくのではないでしょうか。
また、音楽・エンターテインメントへ活用していく上での利点として、ヘッドマウントディスプレイが不要となることにより、不特定多数の観衆が肉眼で見ることが出来、インタラクションできるのではないかと考えられます。
(より小型で視野角も広く、着用性の良いヘッドマウントディスプレイが一般普及するということでも実現できるかもしれません。)
何より、LEDをつけたドローンが飛ぶ姿は可愛くもあり、綺麗ですね。
LIVEの現場で“物体を動かす”ということは難しい面もありますが、現在elevenplayが取り組まれているような、ドローンによる表現にも積極的にチャレンジしていきたいと思います。
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音楽・エンターテインメントとテクノロジーに焦点を当て 「音楽・エンターテインメントが持つ魅力・パワーを高め、伝える体験(演出や技術、それらを活用したマーケティング施策など)」、 「アーティストやクリエイター、音楽業界がよりエンパワーメントされるような仕組み(エコシステムや新しいビジネスの在り方)」 を発信・創造していくことに取り組んでいるクリエイティブ・テクノロジスト/ライター。 「SXSW2017 Trade Show」出展コンテンツ制作やレポート発信をきっかけに、イベント・メディアへ登壇・出演。その他、LIVE演出やVJの技術開発にも取り組んでいる。